日本は40度近い猛暑日が続いていると、ちらほら聞きますが先週パサデナは最高気温46度になりました。エアコンの温度計が暑い日で(華氏)96度と表示されていたりすますが、3桁超えたためか”HI”と表示され測定不能になっていました。そんなこちら、SK-BASEです。
2019年02月13日
カレッジ生活を振り返って(2017年秋編)
いつの間にか2019年も1ヶ月過ぎていた。こちら、SK-BASEです。
2018年夏にカレッジを卒業し、実績を求めて様々なことに挑戦していたため、2018年後半は目の回る早さで過ぎ去ってしまいました。
2017年に一度、カレッジでどのような授業を取っているか紹介したと思いますが、今回からカレッジ生活の振り返りの意味も含めて1学期ずつ紹介していきます。
PCCのおさらい
Pasadena City College(PCC)に関する投稿が結構前になってしまったので、ここで簡単におさらいします。PCCは秋・春の2学期制で、冬・夏に短期集中コースもあります。いずれの4つとも同価値に単位を取得できますが、冬・夏は短期集中ということもあって、秋・春に比べて、期間は半分で進む早さが2倍になります。また、留学生は秋・春は必ず授業を取らないといけませんが、冬・夏は取らなくても構いません。今紹介したことはカレッジによって変わります。必ず、自分の行きたいカレッジで確認してください。
履修科目 in 2017年秋
2017年の秋学期は4科目履修しました。
- 映画製作中級(Intermediate Filmmaking)
- 西洋芸術史(History of Western Art)
- クリティカルシンキング初級(Introduction to Critical Thinking)
- 電子メディア初級(Introduction to Electronic Media)
西洋芸術史、電子メディア初級は大学編入を考慮した、必修科目。クリティカルシンキング初級は一般教養の必修科目。映画製作中級は私の好みです。
何を履修するか考えるとき、大きく分けて3種類になります。
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一般教養
自分の専攻する科目とは関係ないが、基礎知識として学位取得や大学編入のときに必要となる科目。 -
大学編入の必修科目
自分が編入した大学の専攻先において、必要となる科目。この必修科目と一般教養を全て終わらせて編入できる。一部の私立大学では一般教養を編入後に履修してもいい。 -
自分好みの科目
履修する必要はないが、シラバス(授業内容の説明書)を見て、取りたいと思った科目。留学生は最低12単位取らないといけないという関係で、適当な埋め合わせに取る場合もある。
電子メディア初級
この授業では映画、ラジオ、TV、オンラインメディア、それぞれのメディアの歴史を前半に学び、後半に法的なルールを学びました。
講義は、現役でアニメーションスタジオで働いている人が担当し、現場で実際に起こることを踏まえて教えてもらいました。学ぶことが歴史からルールと幅広いため、内容は広く浅いです。後半の法的ルールに至っては、歴史的にこういうルールがあったため、当時の制作システムになり、それが廃止されて今のシステムにいたるのような、表面的なこと勉強するだけで、第何条の〜のような厳密なことまで学びません。授業は先生が用意したスライドをもとに進められ、段落ごとにクラスメイトとのディスカッションを挟みます。
西洋芸術史
この授業はルネサンス前期からキュービズムまで学びます。焦点を当てるのは絵画、彫刻、建築物になります。有名なレオナルド・ダ・ビンチはもちろん、ミケランジェロ、モネ、ピカソが登場します。
中学、高専の美術の授業は基本的に描くことばかりだったので(もしかしてたらやってたかも汗)、新しい側面から美術を見ることができて授業は楽しかったです。歴史的背景や鑑賞者を魅了するためにどのような技術が用いられたかを知ると、改めて美術館に行ったときに楽しみ方が変わります。
授業は楽しかったですが、小テストとして行われる、小論文は評価のガイドラインが全然分からず(現地学生の友だちも言っていたので、多分ちゃんと説明されていない)、思うように点数が取れず大変でした。
一番印象に残ったことは、最後の授業でなぜか西洋芸術史のクラスなのに日本画が紹介されたことです。**欧米、欧州が油絵の具を使い、より写実的な方向へ進んでいた頃、なぜか日本は歌舞伎絵や富嶽三十六景のような版画絵が主流であり、「世界の影響を受けずに独自の文化を突き進めたことは非常に興味深い」**と言っていました。
クリティカルシンキング初級
クリティカルシンキングとは物事を客観的に観察して、表面上にある事柄よりもさらに深いところにある事実を見出すことです。
この授業は英語上級もしくは哲学の授業から選ぶことができ、私は哲学を選択しました。理由は私は英語があまり得意でないことと、英語上級は取り扱う題材が文学であるのに対し、この哲学の授業は日常的な文章をロジック(論理)に基づいて分析し、それがTrue(正しい)のかFalse(間違い)なのかを見出します。
論理的思考が求められるこの授業で、私の理系脳は火を噴き、ESL、英語初級で苦しい思いをしたのとは打って変わって、授業が楽しいぐらいでした。
印象に残った問題は以下の2つです。
「ホーキング博士でも最低知能とされるほどの高知能生命が地球に訪問し、人間を食料としたいと言い出しました。あなたはそれを止めなければいけません。論理的に彼らを説得しなさい。」
「神の存在を肯定しますか、否定しますか。いずれかの立場をとって論理的に説明しないさい。」
映画製作中級
前学期に続いて、映画製作の中級クラスを履修しました。先生も変わったのですが、初回から授業は強烈でした。
生徒が上げる、世間的には人気の映画を批判するのです。その先生曰く、良い映画だが、世間の評価に値しないとのことです。その先生は感情的に批判するのではなく、ストーリー構造(Story structure)、カメラに映っているもの(Mise en scene)など技術的?な面からそれらの映画がそれほど素晴らしいものでなく、優れた映画は他にあるということを紹介していきました。最初こそ、ヤンヤン言っていたクラス内は次第に”あー”と同意の音に満ちていました。授業の最後に、それまで述べた、技術的問題をどうやったらよくできるかをこれから学んでいくと総括して、その日は終わりました。
私が強烈に思ったは、ロサンゼルスに来て以来、こちらの人たちは基本、何でも褒めて、そうじゃないものは濁すか、話題にすら挙げないという印象を持っていましたがこの先生は、ど直球に何でも言ってきたことでした。
ちなみに、この授業では3作品つくりました。最後の作品ではオーディションを含め、レストランに撮影許可の交渉に行ったり、カメラを他の人に任せる役割分担など、初めてのことが多かったです。学期末にはグッタリとなり、失敗もたくさんしましたが、得るものも多かったです。
あとがき
自分の気持ちの比重として4科目それぞれ以下のような感じでした。
- 映画製作中級:60%
- 西洋芸術史:10%
- クリティカルシンキング初級:20%
- 電子メディア初級:10%
学位取得、編入に関係のない映画製作の授業が一番高くなり、必修科目を頑張れよと感じるところですが、やっぱり好きで取った授業に一番熱が入るということですね。
それから、この学期からキャンパス内でアルバイトを始めました。留学生でもキャンパス内なら労働が認められています。私は校内のグループ学習センターで数学のチューターを担当し、日頃、映画製作にばかり気持ちが持っていかれがちでしたが、チューター中は頭をリフレッシュして考えることができました。