2018年03月24日
私の個人的なイタチごっこ、それでも諦めないわ
最近の週末はピザ生地をこねている、こちら、SK-BASEです。 日本は新年度までもう少しですね。新年生や新社会人の人たちで、地方から都会に出てくる方も多いのではないでしょうか?私は3年前に熊本からロサンゼルスというアメリカで2番目に人口の多い都会に出てきたのですが、熊本の治安のよい環境と違って、都会では様々なことに警戒を怠ってはいけません。
さて、上の自転車の写真は私がロサンゼルスに来てすぐに購入したものなのですが、車を購入する前から随分とお世話になっています。そんな私にとってライフラインな自転車ですが、買ってすぐにパンクしたときにその場で修理できたらいいよなと思い、自転車のフレームに付けられるツールキットも購入しました。
2週間後、週末にビーチに向けて自転車をこいでいるときに、太ももに違和感を感じたのです。その感覚はすぐに、私に何が変わったのか教えてくれました。ツールキットが消えていたのです(笑)。私はベニス通りを走りながら、思わず笑みをこぼし、
そりゃ、そうだよな。なんで買うときにこんなの付けたら、持って行ってくださいて言ってるようなもんだ。
と思い、怒りは感じませんでした。しかし、私と自転車泥棒とのイタチごっこはまだ始まったばかりなのでした。
自転車泥棒から学ぶ、プライオリティ
ツールキット盗難から4ヶ月が過ぎたある日、グローブのファーマーズマーケットに自転車で行っていました。駐輪場に自転車を停め、防犯に少しは関心を持った私は前輪をチェーンで固定し、いつものように昼ごはんを食べに行きました。ご飯を食べ終わってからも、グローブにあるお店を見て回ったりし、結局3時間ぐらいはいました。ウィンドウショッピングを楽しみ、さて帰ろうと駐輪場に戻った私の目の前に現れたのは後輪のない、無能な自転車の姿でした。
そのときの私ときたら、目の前の現実を受け止めることができず、一旦グローブに戻り店を見て回りなおしました。10分前に見た光景を幻にしたかったですが、現実は変わることなく、可哀想な自転車を抱えバスに乗って帰ったとき今でも覚えています(ロサンゼルスのバスは自転車を数台乗せられます)。
翌日、グローブのセキュリティに防犯カメラを確認してもらったところバッチリ、体格にいいお兄さんがアレヨアレヨと自転車を引っ張ったあげく、チェーンが取れないので、チェーンの付いてない後輪だけを抱えていきました。周り数人いましたが、触らぬ神に祟りなしのごとく、冷ややかな眼差しで見ているだけでした。
もちろん、警察に届けは出しましたが、犯人探しに動いてはくれないので後輪は購入し直し、お店の人から前輪より後輪の方がパーツが多いから高いという事実も知らされ、行き場のない怒りを力一杯ペダルをこいで帰るのでした。それ以降、自転車で最も守るべきプライオリティ(優先事項)は後輪だと認識し、自転車のお尻側をロックするのでした。
カレッジ入学のためより治安のいいパサデナ引越し
実はここまでの話は、カレッジに入学する前の話で、まだまだロサンゼルスの中心地に住んでいた頃でした。カレッジに入学し、少し郊外に位置するパサデナに引っ越した私は、車を購入しました。しかし、家から学校まではそんなに遠くもなかったので、自転車で通学していたのです。
パサデナの生活にも慣れ、治安のいいパサデナに私の“平和ボケ”が頭を出して来ていたのかもしれません。それでも、現在の家は駐輪場が家の外にあり、そこには柵がないので後輪にも前輪にもチェーンを付けています。パサデナに引っ越して来て、1年半過ぎたある日、その日は車で買い物に出かけ、家に帰ってきました。駐車場に入る前に駐輪場の横を過ぎるのですが、そのとき近所では見かけない顔を見たのです。しかも、何か見えませんでしたが、何かを思いっきり引っ張っていたのです。何か胸騒ぎがしました。駐車場に車を停め、急いで駐輪場に戻ってきてみると、私の自転車のサドルがナイヨ。
それから1週間、私の立ちこぎ生活が始まりました。自然と立ちこぎは力が入るのでスピードも出て、疲れはしますが学校により速く着くことができていました。後輪のときと違って、乗れなくはないですが太ももが限界だったので次の週に自転車屋さんで新しいサドルを購入しました。シートも支柱もなくなっていたので結構高かったです。こうして私は、少しずつ自転車がどういうパーツで構成されているのかを知っていくのでした。
私、諦めない。自転車泥棒も、諦めない。
サドルが盗まれて私の警戒心はより一層高まり、サドルにも細いチェーンを付けました。私の自転車はチェーンまみれです。ここまで用意すれば、大型ハサミを持って来ない限り、盗まれはしない。そうしてロサンゼルス・パサデナの人たちはそこまで用意周到に行動しないと高を括っていたのです。
先週、政治経済のテストが朝一からあるということでギリギリまで家で勉強し、急いで学校に行こうとペダルをこぎ、家の前の緩やかな坂を下っていると突然、ハンドルがガクッと下がり、次の瞬間には前輪が目の前を転がっていき、私はそのまま坂道で転倒するのでした。あまりの急なことで痛みに対処するのに精一杯でしたが、近くで見ていた土木のおっちゃんが“大丈夫か!?”と近づいてきて、おっちゃんに起こしてもらい、周りを見渡すと前輪と、横たわる無能な自転車がありました。おっちゃんが前輪を拾ってきて、
こりゃおかしい、軸がないよ
奴ら(自転車泥棒)は、やりよったのです。前輪、後輪、サドルと全てを防がれたことに憤りを感じたのか、車輪の軸だけを持って行ったのです。車輪はフレームにハマっていたので、乗り始めは分解することがありませんでしたが、坂を下った衝撃で、外れたのでしょう。
よくよく、見てみると前輪にしようしていたチェーンは強く引っ張られたのか、けっこうボロボロになっていました。自転車泥棒は盗もうとしたものの、盗むことができず、腹いせに軸だけ持って行ったようです。結局、家まで抱えて家に戻り、車で行くことになりました。顔には擦り傷ができ、手首は捻挫、膝は打撲で歩くと痛いという状況になり、試験開始には遅れましたがテストではA取ってやったよ(ドヤっ)。
ちなみに、記事冒頭の写真は軸がなくなっている自転車です。その後、車輪の軸はオンラインで買い直しましたが、簡単に外せるものしか売っていなかったのでこれからは乗るたびに軸の確認をしないといけないようです。ということで、4月はきっと日本でも私のような“新米”を狙った自転車泥棒がたくさん出てくるでしょう。みなさんも、自転車で転倒して、顔に擦り傷を作り、新生活で変に目立つことがないように自転車の防犯対策はキッチリしておきましょう。ピザの生地こねるとき手首がまだ痛いな〜